猫舌

ある店のオムライス。あったかいオムライス。猫舌だから料理は熱いよりもあったかいくらいがいい。たまに、飲食店の店員さんが猫舌目線で見るとすごくムカつく。満面の笑みを浮かべて、熱々の料理を運んできて、一言「お待たせしました」。自分はすぐに食べたいのに、すこし冷めるまでさらに待たないといけない。その笑顔が「お待たせしました」から始まる待ち時間をイライラさせるときがある。あの、自分は料理をちゃんと熱々のままテーブルに運んだぜと思っているかのような笑顔が。それがその人の仕事で、その人はちゃんとしてるんだけれど。あの店のオムライスは標準の温度がすこし低い。味も好きだけどそのちょうどいいあったかさもすごくよくて。温度だけに限らず、ちょうどいいって大事なことだ。今日、自分が生きている狭い世界では、すべて猫舌を中心にはまわってないんだなと改めて思ったし、やっぱりそのオムライスが好きだなと思った。