見えかた

電車に乗っているときは、いつも決まって入り口すぐのところに立つ。そして、乗っている人を観察したり外を眺めたりしている。割合としては、7対3くらいで外を見ていることのほうが多いと思う。今日も外を見ていたんだけど、途中にある川になにか鳥が泳いでいるのが見えた。太陽の光があたってキラキラしていて、すごくきれいだなと思った。でも、近づいていくと、鳥だと思っていたそれは、誰かが捨てたビニール袋だった。どう考えても、ただのゴミだ。だけど、遠くから見ると本当にきれいだった。川にゴミがあるのはあまり気持ちのいいものじゃないし、どう見えようとゴミであることは変わらない。ただ、間違いなくその一瞬、自分にとってそのビニール袋にはゴミ以上の価値があった。この感覚はすごく大事にしないといけないものだと思う。なんでも同じ方向からしか見ないとどうしても偏ってしまうし、世の中のおもしろい部分を見逃してしまう気がする。少なくとも、今日は誰かの捨てたゴミのせいで、美しい景色に出会ってしまった。